ポンパドール・パラソル:野望編

旅行記や建築の話を書くブログです。

オブザ2008

今年ももう12月

もう今年も終わりです.
何のためでもなくただ生きるためだけにモノを食べ,役に立つのかどうかも怪しい研究に勤しみ,週末のささやかな楽しみを消費してきた一年が終わろうとしています.ぼくにとって今年は,あまり意味のない一年だったと思います.というかこれまで実りある一年を過ごした記憶がないのですが…
それでも,今年はせっかくはてなに引っ越してきたので色々な方に積極的にお会いしました.お会いした方々は皆さん,とても面白かったです.今年あった実りと言えば,そのぐらいですかね…
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で,年末年始の楽しみといえば,色々な人の「年間ベスト」的な記事を読むことでしょうか.
なんかまだ若干早いような気がしますが,ほんとうの年末年始は,ぼくの仕事なの?と疑問を挟みたくなるような卒論生の指導とかで何かと忙しそうなので,色々な年間ベスト的なものをまとめようと思います.(というか,ぼくにとっての2008年は,ストーンズの映画,シャイン・ア・ライトを見損なった時点で終わった!)

ちなみに去年のはFC2で年間ベストアルバムとか書いたような気がしますけど,もうそのログなどは残っていないので記憶を頼りに書くと,

  • battles/Atras
  • AnimalCollective/Strawberry Jam
  • V.A./ScreamingMasterpieceSoundTrack

とかだったと思います.

アルバムオブザ2008

今年は旧譜ばっかり聴いてたこともあって,新作はもともと好きなアーティストのぐらいしか聴いてないのですが,たぶんそれでも3〜40枚くらいは聴いたはず.その中で言うとこんな感じです.

Just a Souvenir (Dig)

Just a Souvenir (Dig)


Squarepusherのこのアルバムは,インタビューとかそもそもあるのかすらわかんないですけど全然読んでないから聴いたままの感想を書くと,憑き物が落ちたかのような不気味な明るさを感じさせる作品だったと思います.前作までと比較してポップで明るいんですけど,相変わらず禅僧のように黙々と作っている風景を想像できてしまうというか.
Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust

Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust


sigur rosは来日公演があったことをしらなくて逃してしまったんですが,でもアルバムは一応聴いていました.ぼくは前作のTakk...を聴いていなかったのでこのアルバムを聴いて困ってしまったんですが,それは何でかって言うとアンビエント的で(比較的)冗長な感じが薄れていたからということと,ヨンシーがちゃんとボーカルしてるということあたりなんでしょうけど,これもまた良し,って感じでした.何言ってるかよくわかんないですけど…
ディア・サイエンス

ディア・サイエンス


で,今年のベストを挙げるとしたらこのTV on the Radioかなあ,と思います.
とにかく,このLove Dogという曲とFamily Treeという曲が印象的で,そしてこの二つの曲が一枚のアルバムに同居しているのが何か良かったんだとおもいます.


ぼくにとって今年は,ポップな感じのものが良く感じられた年だったんだと思います.上で挙げた3枚は,わりと取っつきにくいと言われがちな感じのアーティストが出した比較的ポップな感じのアルバムですよね.
あとはAutechreの新作もよく聴いた気がしますし,椎名林檎のB面集もよく聴きました.

ブックオブザ2008

今年最も読んだ本は,「建築物の基礎構造設計指針」というちょう面白い本*1なんですけど,別に2008年に出た本じゃないし,紹介してもつまんない本なので,ほかから3冊くらい選ぼうと思います.マニアックな専門書をのぞいたトータルで40冊くらいのなかから.

ヴィンランド・サガ(6) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(6) (アフタヌーンKC)


このヴィンランド・サガは週刊誌で無謀にも連載していた頃から読んでいたんですが,ここに来てかなり面白くなってきました.圧倒的な書きこみ量とうまいストーリー構成,あとカッコイイ登場人物は相変わらずだし,ひとつのクライマックスに向かうワクワク感が今まさに最高潮です.
マーティン・ドレスラーの夢 (白水Uブックス)

マーティン・ドレスラーの夢 (白水Uブックス)


かなり強引な感じですけど,白水Uブックスで今年出たミルハウザーのマーティン・ドレスラーの夢は,ミルハウザーの偏執的な風景描写への拘りみたいなものと,一人の人間の成功と没落の物語とが最もダイナミックに描かれた作品だと思いました.ミルハウザーにしては長いですし,風景描写がうざったく感じられたのも事実なのですが,(ミルハウザーだから最後はこうだろうという)既に何となくわかっている結末に向かって美しく収束していく感じが潔くて好きです.
白


白という色に現代的な意味を感じるようになったのは何故だろう,と考えていたときに見つけた本です.その答えには必ずしもなっていないですし,そもそも書いてあることの真偽もよくわからない感じですけど,ひとつひとつの文章に,静かな美意識が感じられて,読んでて寒気がしました.


とか挙げてみましたけど,今年読んだ本で印象に残っているものは,2007年のものが多かったので選ぶのに少し苦労しました.「愛と哀しみのル・コルビュジェ」もそうだし,「通訳」もそうだし….

ムービーオブザ2008

今年は上半期,お金がなくて(今もないけど)あんまり映画を観ることができなかったです.というかそもそも仙台で上映がある作品って限られているし,上映されても一ヶ月遅れとかだったりするのも多いので映画のレビューとかあんまり書いてなかったんですが,トータルで20〜30本くらい観た気がします.
やはり下半期の作品がほとんどなのですが,その中から,母数の関係上2作挙げます.

12は,既に書いたとおりぼくの原作へののめり込みぶりから,とても面白く観れました.




トウキョウソナタは,まさしく一ヶ月遅れぐらいで仙台に届いた作品なんだけれど,他のブロガーさんたちによる賞賛の嵐を横目でみていてすごく楽しみにしていました.で,ようやく仙台フォーラムに来ることになって見に行ったのだけど,とても素晴らしかったですね.
トウキョウソナタで描かれている家族って,家族のひとりひとりが自分にとっての重要な決定をギリギリまでひた隠しにしておくところとか,かなり現代的な家族像なんじゃないかと思いました.そんな終末的な感じすらある家族というコミュニティの姿が,最後には希望を持たせる形で描かれていて,すごく感動的でした.


あと特筆すべきは,イントゥ・ザ・ワイルドにおけるエディ・ヴェダーの歌とか「落下の王国」における半端ない感じの映像美でしょうか…あとポニョ,ミストとか.映画は記録しておかないと忘れてしまう….

アーキテクチャーオブザ2008

今年完成した建築ってとても無理があるので,ぼくが今年“はじめて”みた建築の中で良かったものをいくつか.
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まずは犬島の精錬所ということになるんだろうけど,犬島のとても静かな感じが廃墟感をよりいっそう引き立てていてとても良かったです.あと,アートプロジェクトで新たに建てられた部分も良かったですね.
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谷口吉生さんの広島市環境局中工場は,軸線と陰影の使い方がすごくうまくて,単なるゴミ処理場に宗教建築のようなカタルシスを与えていて何かもうすごかったです.
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あとは銀座にあるSWATCHビル.とくにここのエレベーターが時計で埋め尽くされていて,その圧倒的な感じにうっかり時計を買い求めてしまおうという不思議な経験をしました.

まとめ

2008年の音楽・本・映画・建築でよかったものをまとめました.
こうした素晴らしい作品に出会えて,とても良い年だったと錯覚しています.素晴らしい作品達から元気をもらって,来年こそはなにか大きなことを成し遂げたいですね!
もうすでに来年に期待しているあたり,来年も何も無さそうですが…!

ちなみに,金のない学生が映画や本,音楽などを鑑賞しようとするととても生活が苦しくなりますよね.ぼくはそれを借金する事で解決しています.以上です.

*1:研究関連

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