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ポンパドール・パラソル:野望編

旅行記や建築の話を書くブログです。

イントゥ・ザ・ワイルドとエディ・ヴェダー

昔,ロッキングオンという雑誌があって,別に購読していたわけではなかったのに,パールジャムのページ数が話題の新人アーティストに対して少なかったことに腹をたてて,わざわざそのためだけに雑誌を購入し「パールジャムのページ数が不当.6Pだが12Pが妥当.だいたい,パールジャムが日本で人気がないのは雑誌をはじめとする音楽メディアが云々…」などとクレームと責任転嫁で喚き散らしたアンケート葉書を送ったことがある.
それを真っ赤な中二病遍歴として恥ずかしがればぼくもまだ救いようがある気がするけど,現在でもぼくはその内容に大きな間違いがあるとは思っていない.でも,10Pにしておけば良かったかな,とは少し思っている.


ぼくが初めてライブというものを経験したアーティストはこのパールジャムで,たしか2002年に仙台に来たときだと思うんだけど,半分くらいしか席が埋まっていないZEPP仙台を包み込んだ興奮と感動は今でも忘れられない大切な思い出となっている.


そのパールジャムのフロントマンであるエディ・ヴェダーがソロ名義で楽曲を提供しているイントゥ・ザ・ワイルドを観た.最初はエディに対する義理のつもりだったのは正直なところだったけど,既にDirk_Digglerさんichinicsさんのレビューで紹介されているとおり,その内容はとても素晴らしかった.

物質文明と貨幣を否定し,大学卒業を期にすべてを捨ててアラスカを目指すアレクサンダー・スーパートランプが旅の途中で出会う年老いたヒッピーや革職人(?)の背景や,確かな生の実感と代償としての死,またスーパートランプ自身の家族など,すごく丹念に描かれていた.旅の過程でマクドナルドでバイトしたりする彼のご都合主義で無邪気な一面も,リアリティがあってよかったと思う.
そういう個々人のミクロなストーリーがあってなおかつ,アラスカの大自然やミシシッピ川(だっけ)の急流下りとかの壮大な大自然の絵のなかを主人公に動いてもらうことによって,ミクロとマクロ両方の視点から生の実感みたいなものを炙りだそうとする意図があったんじゃないかと思う.ぜんぜん違うかもしれないけど.


そしてこの映画におけるエディの曲の使われ方というのがすごく良かった.
エディの鼻にかかったような「ファハン…♪」みたいな声って,すごく泥臭くてさらに田舎臭いんだけどこの映画ではそれを逆手にとっていて,田舎的な旅情と冒険者みたいな薄汚さを演出するのにすごく効果的だと思った.あとはぼくのイメージする若いころのエディって,まさにこのスーパートランプみたいな人なんだよね….実際にはもっとグレてたみたいだけど,98年ぐらいからのエディしか知らないぼくにとってはまさに!っていう感じだった.

そんなわけで,とても楽しめました.まだの方は,もうあんまりやってる劇場ないかもしれないのでお早めに!

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