ポンパドール・パラソル:野望編

旅行記や建築の話を書くブログです。

現代アートの楽しみ方

前置き

このブログ,TopHatenarにおけるart部門で第7位にランクインしていました*1犬島や直島,美術館建築に関する記事が効いたのでしょうか.いずれにせよ,これもすべて読んでくださっている皆様のおかげです.
TopHatenar部門別ランキング - art
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それで自分より上位のブログを読んでいたのですが,一位のnyaofunhouseさんのブログにこんな記事がありました.
(現代アートも含めた)美術作品を展覧会で鑑賞する際の10のやり方
美術作品を展覧会で鑑賞する際のポイントが簡潔にまとめられています.
nyaofunhouseさん流の鑑賞のポイントということですが,
先入観から自由になって作品を鑑賞して,その作品を見たことによる自分の変化と向き合って,そのあとで作者や文脈を理解していこう
といった感じでしょうか.とても納得できます.


これに便乗してぼくは,知人と話しているとよく「現代アートつまんない」という話を聞くので,わりと現代的なアートに限定して*2,作品の楽しみ方についてぼくが意識しているポイントを書いてみようと思います.しかも,たった二つしかありません.
nyaofunhouseさんとは相反する部分もあるかもしれませんが,まあそういうもんですよね.

1.実際に現地で見てみる

ここでは美術展での鑑賞を念頭においていますけど、本で見るときなんかも同様だと思います。ただ、ほとんどの作品はディスプレイや印刷で見るのと本物は全く別物と言えるほど劇的に印象が異なります。やっぱり展覧会なんかで実物を見て欲しい。

冒頭のnyaofunhouseさんのエントリからの引用ですが,これはとても納得です.


たとえば,ウォルター・デ・マリアという人のタイム/タイムレス/ノータイム(地中美術館)という作品は,*3この,今にも動き出しそうな黒球,シンメトリーの室内,そしてコンクリート壁による静寂の緊張感がもの凄い作品なんですけど,その凄さは写真で見てもなかなか判らない.
実際に現地に行って,テクスチャー,空間の匂い,音あるいは静けさなんかを全身で感じてみると,写真ではわからなかった発見や感動があると思います.

2.誰かと一緒にみる

作品をみるとき,とくに現代アートを鑑賞するときは,ひとりで見るより誰かと一緒に見たほうが10倍くらい楽しいです.ぼくの場合.
たとえば以前日本で観る名画というエントリに挙げたような絵画はひとりで鑑賞したものがほとんどですが,どれも感動的でした.
でも,とりわけ現代アートによくあるような新奇で不可解なものをひとりで見に行っても,結局「良くわかんない」で終わってしまうことが多いので,ぼくは大抵,友人などと見に行きます.
そこでのポイントですが

  • よくわからない作品に出会ったら「わかんない」と言う
  • 馬鹿だと思う作品に出会ったら「これ馬鹿だよな!」と指差して馬鹿にする
  • すごいと思う作品に出会ったら「これすごいな!」と絶賛する

つまり,思ったことを口に出して,コミュニケーションするということをいつもしています.そうすると,馬鹿な作品は友達と一緒に馬鹿にして笑いあったり,素直に作品に感動したり,友人がわかんないと言う作品に講釈を垂れたり,友人が馬鹿にする作品を全力で擁護したりといった,とても楽しい時間が過ごせます.
あとは,しょーもない作品に大仰な解説文やタイトルを付け加えているものもあるので,そこも馬鹿にするポイントとしてはなかなかです.

美術館併設のカフェやレストランで一服する
ない場合はしょうがないですが、美術館のカフェはいいですよ。安くて美味しいことが多いし。

美術館のカフェやレストランで「あの作品はないよなー!」とか言うのも楽しいですよ.

蛇足,あるいはまとめ

そういう意味で,とりわけ現代アートというものは,ぼくはコミュニケーションのためのデバイスだと思っています.だから本や写真で見るだけではなかなかわからないし,ひとりで見に行ってもそんなに楽しくない*4し,ということだと思うので,友達とかと実際に見に行って思ったことを口に出して,いろいろ話したりするのがいいんじゃないかと思います.余計なお世話ですけど.

アートやアーティストの文脈・意図などを理解したりするとさらに別の楽しみ方が出来るかもしれませんが,ぼくはそうでなくてもアートは楽しめるものだと思います.これまで現代アートを敬遠してきた方も,友達や恋人を誘って美術館に行ってみるといいような気がしますが勘違いかもしれません.

参考文献

ぼくが言ったようなことを,小野田さんという方がわかりやすく言っているような気がします.
美術館建設関係者から話をきく第二段!! 小野田泰明氏にインタビュー

*1:2008.11.15現在

*2:現代,という線引きはあいまいにしておこうと思うけど

*3:写真で見てもけっこう凄いと思うけど

*4:ひとりで見に行っても楽しいもの,ひとりで行った方が楽しめるものも稀にあるけど

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