ポンパドール・パラソル:野望編

旅行記や建築の話を書くブログです。

美術館レビュー(過去ログ)

  • POLA美術館

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かなり素晴らしい美術館.
ルノワール《レースの帽子の少女》にはその精巧な描写,計算しつくされた構図,描かれている女性の視線等々に,思わず見とれてしまった.絵画で,これほど感動したのは初めてで,何時間でも見ていたかった.モネの《積みわら》も《睡蓮》もよくって,印象派好きの僕にはたまらなかった.
建築は,日建設計の久しぶりの傑作なんだけれど,こちらも学会賞を取るだけあって素晴らしかった.大胆に太陽光を取り入れながらも,抑制された明るさは心地よかったし,周辺の箱根の自然ともよく合ってる.
今まで訪れた美術館では最高の部類に入る,至高の小品のような繊細な味わいでした.

  • 国立新美術館

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かねてから行きたかった,黒川紀章が亡くなってしまったので"晩年の"傑作となってしまった国立新美術館.まずはそっちの方に興味があって,日展とフェルメールの《牛乳を注ぐ女》をついでに見て,という感じの予定で行ってきました.
建物は,外観―ホール―展示空間の対比が面白かった.外観は典型的なガラスと曲面を用いた現代建築なんだけど,ホールに入ると円錐状のコンクリートの塊が見る者を圧倒する.展示空間は割と落ち着いていて,ギャラリーショップは結構充実している.あの,コンクリート塊を使う力技はある意味,黒川さん世代くらいの人じゃないと出来ないのかな,と思ったりしました.
で,予想はしてたけど,休日でめちゃめちゃ混んでました.肝心の《牛乳を注ぐ女》は2mくらいまでしか近づけないし,人に流されながらだったのであんまり楽しめず.やっぱ,都市型の美術館って性に合わないなぁと思いつつ,日展を見ずに美術館を後にしました.

《牛乳を注ぐ女》は,精巧な遠近法を用いながらもある部分ではそれから逸脱させてるところが暗示的で面白かったし,構図やものの配置とかが凄く緻密に計算されているところとか,興味深かった.ただ,目を奪われるほどの感動は受けなかったというのが正直なところ.
今度,ゆっくり見たら変わるかもしれないので,断定的な評価は避けておきます.

  • 国立西洋美術館

行ったのは11月で,写真は無いのですが,それはGoogle検索に補ってもらうということで.

ムンク展と,常設展見に行きました.
ムンクの絵画は昔から好きだったので,かなり楽しめました.心の中の深遠な部分の,時間も念もぐちゃぐちゃにまざった混沌とした様子を描いたかのような,あるいは何次元にも何層にもなる対象を無理やり二次元に落とし込んだかのような,そんなぐにゃぐにゃした色彩が好きで,その時点で根暗の素質があったんだと今になって感心するくらいなのですが,とにかく楽しめました.常設展は,中世から近代にかけての西洋美術の傑作が勢ぞろいで,こちらも素晴らしいものでした.特に,ルノワール、ピエール=オーギュスト:帽子の女 (1891)が素敵.ルノワールの中でも,こういうちょっと気取った感じのモデルを描いた作品が僕は好きです.ちょっとお子様で,帽子被ったりして気取ってるんだけど,有無を言わさぬ美しさがあって,それに見合うような振る舞いを覚えつつある感じ.

建築は近代建築最大の巨匠ル・コルビュジェの日本における唯一の作品で,あまり有名なんですけれど,本人はあまりこの国立西洋美術館を気に入ってないらしい.もうちょっとひいきにしてくれてもいいような気がしますけど.
今見てみると,そんなに美しい感じはあまり受けないけれど,スマートなRCの柱で構成されるシンプルな列柱空間は素っ気無いながらも味があってなかなかのものではないかと勝手に思っています.

  • 菅野美術館

google画像検索−菅野美術館
かなりローカルで申し訳ないのですが,宮城県仙台市の北東にある塩釜市の菅野美術館を紹介します.建築は苓北町民ホールで学会賞を受賞した阿部仁史の久々の傑作で,外観は辺を削った直方体にエンボス加工し,サビを吹き付けた感じなのですが,内部は真っ白.同じくエンボス加工された鋼板でジャキジャキに切り刻まれた空間で,螺旋状に直方体を下りていくような動線.周りが普通の住宅地なので,異世界に居るような感覚を受けました.
その螺旋状に降りて行くのがまたよくって,帰るときに,ちょっとドキッとする仕掛けがあるんです.それは行ってみて体験してください.

作品は,少ないですが彫刻8点.ロダンなど粒ぞろいです.
まあ少し物足りないですけど,建築を含めた非日常空間を体験するためならば,かなりオススメできる美術館です.

  • 箱根彫刻の森美術館

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建築っていうか空間なんですが,オープンエアー型で,天気も良かったので気持ちよく作品を鑑賞することができました.
ピカソ,ロダン,岡本太郎とかの所謂彫刻的なものばかりではなくて,広義の彫刻といった感じの機械式で動くオブジェなんかもあって,とても楽しかったです.

展示に対して展示空間ではない建物が若干貧弱だけれでも,メインは屋外と考えれば文句無く最高クラスだと思います.天候に左右されるところが若干難点と言えなくもないが,雨なら雨で違った楽しみ方が出来ると思いますし,がっかりしたとしてもそれがオープンエアーの醍醐味なんじゃないかな.次は晴れるよ,きっと.

晴れたときの,光輝くフィールドに存在するモンスター,あるいは宝石たち.3D系のRPGの中の世界にいるようでした.

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